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中国電影世界現代的三大名花

次代担う女優たち

映画

三大名花
上から、趙薇(チャオ・ウェイ)、周迅(ジョウ・シュン)、徐静蕾(シュー・ジン・レイ)

 趙薇(チャオ・ウェイ)=26歳、徐静蕾(シュー・ジン・レイ)=28歳、周迅(ジョウ・シュン)=27歳の3人は、現代の中国映画界で人気を分け合う女優たちだ。それぞれタイプが違うが、映画・テレビで活躍し、日本でもファンが増えつつある。3人に最新主演作の周辺や中国映画に対する思いを聞いた。

    ◇

●趙薇 キュートなアイドル

 趙薇は日本でも大ヒットした香港映画「少林サッカー」で、太極拳使いのまんじゅう屋の娘を、過剰な「不細工」メークで演じ、話題になった。

 「私の素顔を知っている人には、あのお化粧もチャレンジとして楽しんでもらえたはず」と語る。「でも、日本ではそれほど知られてないでしょ。本当にあんな顔の女優だと思われたら困る。外国でも公開されると知っていたら断っていたのに」と笑う。

 大ベテランの映画監督、謝晋(シェ・チン)が上海に開設した芸能学校の1期生を経て16歳でデビュー。清時代の宮廷を舞台にした連続テレビドラマ「還珠格格」が大当たりし、アイドル的な人気を集める。現代風のキュートなルックスだが、時代劇での活躍が目立つ。大スケールの時代劇アクション「天地英雄」「天下無双」といった作品にも出演する。

 この夏クランクアップした張元(チャン・ユアン)監督による最新主演作「緑茶」では現代劇のラブストーリーに挑戦、昼は大学院生、夜はパブで働く女性を演じる。「時代劇が多かったので、こういう役は新鮮。等身大でやれるのもいいですね」

 「ロングバケーション」「ビューティフルライフ」といった日本のテレビドラマも好きだ。「とても丁寧に作られている印象がある。ぜひ、日本でも仕事がしてみたいです」

    ◇

●周迅 「縁」信じ作品選ぶ

 周迅は小悪魔的な魅力も持った個性派。現在は、李少紅(リー・シャオ・ホン)監督の最新作「恋愛中的宝貝儿」の撮影を終えたばかり。改革開放時代に育った女性の恋愛劇で、主人公の「ベイビー」を演じている。

 「主人公は物質的なものと精神的なものを同時に求める女性で、役作りが難しい。撮影も実験的な試みが多く、かなり大変な作業です」

 ダンスを学んでいた15歳の時にスカウトされ、テレビ、映画の世界に入った。婁イエ(ロウ)監督の「ふたりの人魚」、王小師(ワン・シアオ・シュアイ)監督の「北京の自転車」など、第6世代と呼ばれる若手監督の作品に出演することも多い。どちらも政府の許可を得られず国内では上映できない作品だった。

 「監督や作品のジャンルを選んでいるわけではないです。いろんな企画をいただく中、脚本を読んで興味を持った作品に出ているだけ。それが私の基準です」

 だが、女優として演じる面白さを自覚したのはパリ国際映画祭で主演女優賞も受けた「ふたりの人魚」だったともいう。

 「それまでは、スポットライトを浴びて、違う人物になれることが面白かっただけでした」と振り返る。「これからも自分に合った作品に、ひとつでも多く出会えればいいな、と思っているだけ。人生はすべて『縁』なのだと信じています」

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●徐静蕾 自己表現求め監督にも挑戦

 ロングヘアにスレンダーなスタイル。お嬢様タイプの徐は、同性からの支持も高い。現代中国の人間模様を描きヒットした「スパイシー・ラブ・スープ」(張揚(チャン・ヤン)監督)のほか、昨年には「春に向かう地下鉄」で映画初主演を果たした。

 彼女は現在、自ら監督する映画を製作中だ。「演技を一生続けていくとは思っていない。自分なりの表現方法を探していたんです」

 タイトルは「私とお父さん」。幼いころ両親の離婚で別れた父と娘の交流を描く。出演者もスタッフも、友人知人に声をかけ自分で集めた。製作費の約300万元(4500万円)はすべて自己資金だという。「出資したいという申し出もありましたが、まずは自分なりに作ってみたかったので断りました。まったくの自主製作映画の小品です」

 中国で映画を製作するには、映画局の審査が必要になる。今年2月に映画管理条例が改正され、民間会社だけの製作が可能になった。担当者から「あなたの作品がその第1号だ」と言われたという。

 「審査についてはいろいろうわさは聞いていましたが、とても協力的でした。映画局の考え方も変わってきているんだと思います」と語る。「私たちの追い求めるものはハリウッドの大作映画とは違う。あちらはテクノロジーの産物。私は、もっと人間の息づかいみたいなものを撮っていきたい」と語る。

(08/22)



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